hanekakusiのブログ

『猫とかわうそ』http://hanekakusi.web.fc2.com製作日記です。読書の感想も書いています。

しばらくお休みします

最近すっかり忙しくなってしまったので、ブログを無期限でお休みさせていただきます。ろくな事を書いてないのでこのまま閉鎖してもいいかもしれませんが、一応しばらくこのまま置いておこうと思います。 ホームページの方は、ほんの少しずつ更新して行く予定…

アベルとカインの話

雨がこんなに降り続くのは初めてです。うちも本来は洪水になってもおかしくないんでしょうけど、筑後川を治水管理してくれている人たちのお蔭で無事過ごせています。有難いことです。まだ復興とか支援とかいう話が具体的に出て来ませんね。道路も寸断されて…

天気管と豪雨

先週、天気管(ストームグラス)というものを作りました。塩化アンモニウム、硝酸カリウム、樟脳をアルコールに溶かして密閉したもので、中の結晶の出来方で天気予報をするというオカルト的なアイテムです。ネモ艦長のノーチラス号にも搭載されていました。気…

『楔形文字を書いてみよう読んでみよう』

この前シュメール神話を読んで、石版が読めたらカッコいいのではないかという気になりました。この本は楔形文字入門書で、大体こんな感じというのがわかる本です。楔形文字ドリルもあって、書いて覚えられるようにもなっています。文法書ではないのでこれ一…

『シュメール神話集成』

約紀元前2000年にメソポタミアで書かれた神話を集めています。『ギルガメッシュ叙事詩』も大好きですし、私は個人的にこういうジャンルがツボです。こういう古くて素朴なのがいいんです。多分少数派ですが。 まずはシュメールの創世記があって、次に洪水伝説…

『神統記』

ヘシオドスの作と伝えられていますが、諸説あるそうです。よく引用される作品なので読んでおこうと思いました。 ヘシオドスは歌比べでホメロスに勝ったとウィキペディアに書いてありました。すごーい。神統記も翻訳ではわかりませんが原文はヘキサメトロス(…

ネルヴァル『幻想詩篇』

久しぶりに、翻訳の方が完成しました♪ 最初この作品を読んだ時には、意味がよくわからないと思いました。でも訳してみると、そうでもなかったです。ネルヴァルと言えば電波なイメージはありますが、非常に頭脳明晰な人なので、意味の通らない文章なんて書き…

童男山古墳

八女古墳群の一つです。名前の由来は徐福伝説です。(明らかに年代は合いませんね)国道442を黒木方面に向かっていると看板があります。看板に従って進むと、不安げな細い道に入ります。右手に卵工場があって、その手前の道で左折すると広い駐車場があります。…

日ノ岡古墳・珍敷塚古墳

浮羽市に行って来ました☆ 毎月第3土曜の午前と午後に、日ノ岡古墳・月ノ岡古墳・珍敷塚古墳・楠名古墳を巡るツアー(無料)があります。事前予約制です。ボランティアのご老人たちが案内してくれます。 日ノ岡古墳は諸星大二郎『暗黒神話』に自動催眠装置とし…

ブロイラー/フロイト『ヒステリー研究』

フロイト最初の著作で、アンナ・Oをはじめとする有名な症例が報告されています。大まかに言えば、ヒステリー患者に症状の原因となった出来事を想起させて語らせれば症状が消える事を論じています。 しかし、読んでいてすぐに気付きます。最初の症例二人はあ…

『孤独の科学』

心理学者のカシオポ博士が研究成果をまとめた本です。人が孤独を感じる理由を科学的に検証しています。面白い本でした。 何故孤独を感じるか、その理由は人間は社会的動物であるという事に尽きます。数万年前の人類を見てみれば、孤立=死でした。みんなで洞…

竹原古墳

福岡県宮若市にあります。受付で215円払うと、おばちゃんが鍵を貸してくれます。 自分で鍵を開けて、電気を点けて中に入ります。解説してくれる人は誰もいません。しかし、とても保存状態がいいですし、硝子越しですが非常に良く見えました。隠れて見えにく…

五郎山古墳

見学は5日前までに五郎山古墳館へ連絡が必要です。 狩猟の様子が描かれた装飾古墳で、赤・黒・緑の三色が使われています。複数の人物や動物、弓矢、同心円文、死者の魂を運ぶ天の鳥船などが描かれています。しかしだいぶ退色していますし、ガラス板の向こう1…

祇園山古墳

久留米の高良大社の近くにあります。何処に車を置いていいかわからなかったので、近くの100円ショップから歩きました。大体10分くらい、こんもりした森の方を目指して行って、高架をくぐります。 祇園山古墳は現在高良大社が所蔵している三角縁神獣鏡が出た…

石人山古墳

八女群広川町にある古墳で、その名の通り石人さんが出土しています。武装石人で、脇腹のあたりに丹塗りが残っています。石人さんの向こうに石棺がありますが、柵があって中には入れません。しかし石棺の蓋に描かれた直弧文などの装飾は十分よく観察できます…

岩戸山古墳・岩戸山4号古墳

岩戸山古墳は古代最大の内乱、磐井の乱を起こした筑紫君磐井が作ったと記紀に書かれています。しかし石室内は調査されておらず、どうなっているか誰にもわからないそうです。 この古墳で何より有名なのは石人さんですね。石人さんは加工の容易な阿蘇凝灰岩で…

浦山古墳

久留米成田山の本堂でお坊さんに言うと、頼りなげな懐中電灯と鍵を貸してくれます。 古墳は帆立貝型前方後円墳です。鍵で扉を開けると石室があります。何の説明もないのでどこまで入っていいのかドキドキしながら奥へ行くと、何と石棺の中まで覗けます。懐中…

チブサン古墳・オブサン古墳

最近にわかに装飾古墳がマイブームになりまして、山鹿市立博物館に行って来ました☆ まりこふんもライブしてた所です。 チブサン古墳の見学は1日2回、10時と2時にあります。場所が1キロほど離れているという事で、博物館の方が車で先導して案内してくれました…

『発光妖精とモスラ』

映画モスラの原作本です。何故読んだかと言うと、作者が凄いんです。意外すぎるのですが、当時の日本を代表する文学者、中村真一郎、福永武彦、堀田善衛の三人が、それぞれ序盤、中盤、終盤を分担してリレー方式で書いています。何やってんでしょうね。まあ…

オーウェル『一九八四年』

この作品は1950年に書かれたものなので、当時の新未来小説です。20世紀を代表する作品と聞いていたのですが、政治的意図が強すぎて私の好きなタイプの小説ではありません。ここでは政治の話はあまりしないでおきますが、集団主義批判については実社会で暗黙…

『身体はトラウマを記録する』

PTSDの権威によるPTSD研究の集大成みたいな本です。専門家向きですが、一般読者にもこれだけの内容のものが読めるようになっているのは素晴らしいことです。専門家でもここまでPTSDの事がわかっている人ばかりではないでしょう。ただ具体的事例が多いので、…

ネルヴァル『火の娘たち』

ネルヴァルの生前最後の著作で、短編集です。冒頭はデュマ宛ての手紙ですが、これを読んだ時には少々心配になりました。劇場に火をつけるとかいう話で、何やら陰謀説を唱えているのですが・・・違います。あなたはその女優にフラれたんです。若い頃はイケメ…

ネルヴァル『暁の女王と精霊の王の物語』

シバの女王がソロモン王に会いに行って知恵を試す話がありますが、それをモチーフにしています。しかし旧約聖書とはかなり違った話になっています。オカルトです。読み手を選びます。私は多分、常人よりムー的な怪しい本は読んでるので、この本がただ個人的…

『心理療法の光と影』

名前の長いユング派の人が書いた本です。読んだ方がいいと勧められて読みましたが、面白かった、というか恐ろしかったかも。 ここで主に取り上げられているのは医療従事者や教師などの援助者です。言うまでもなく本来は人を助けるための職業なのですが、それ…

中原中也『ヂェラルド・ド・ネルヴァル』

先日、中也の自筆原稿を見る機会があったのですが、中にネルヴァルの『黒点』がありました。私はランボーは正直あんまりわかんないんですけど、ネルヴァルいいなと思って少し読んでみることにしました。幸い、中也のネルヴァル訳は青空文庫にありました。『…

三島由紀夫『サド侯爵夫人』

やっと今年1冊目の読書ができました。やれやれです。 近代戯曲屈指の傑作と名高い『サド侯爵夫人』ですが、私は正直あまりピンと来ませんでした。私はサドが好きですし、自分のイメージするサドと作中のサドが違ったのがいちばんの原因でしょう。 私は三島由…

『王書(シャー・ナーメ)』

10世紀に書かれたイランの英雄叙事詩です。原著は50代の王に渡り記述した大作らしいですが、日本語に翻訳されているのは一部分だけです。私は東洋文庫のを読みました。古来の伝承を集めたものみたいで、11世紀には『ルバイヤート』が書かれている事を思うと…

更新しました

ホームページをやっと更新できました。 今年は私にとって内面的にはかなり色々変化がありましたが、外面的な成果の乏しい年でした。翻訳もあまりはかどりませんでした。 暇なだけが取り柄の私が次第に多忙になって来たのは残念ではありますが、致し方ありま…

ヘロドトス『歴史』

ペルシャの王キュロス、カンビュセス、ダレイオス、クセルクセスの4代を軸とする歴史書で、とくにペルシャ戦争の記述がメインになっています。後世の本で引用されて見覚えのあるエピソードが沢山出てきます。 私の感想としては、何と言ってもキュロス大王が…

アリストテレス『詩学』/ホラティウス『詩論』

アリストテレスの『詩学』は、あちこちで引用される有名な本です。悲劇のあるべき構造について書いてあります。 悲劇の主人公は、善人かわずかに欠点があるくらいの人が良くて、そういう人が不幸に陥る事で、観客は「同情」と「恐れ」を覚え、「浄化」(カタ…