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hanekakusiのブログ

『猫とかわうそ』http://hanekakusi.web.fc2.com製作日記です。読書の感想も書いています。

第七の封印

スウェーデンの映画監督ベルイマンの作品です。騎士が死神とチェスをする話です。有名な映画だそうで、ラストシーンは確かに見覚えがありました。すごく恐い映画なんですが、死神がどうしてか可愛い。ほんと恐いんですけどね。

(以下は映画の内容を含みます)

ラストシーンは、死神を入れて7人で「死の舞踏」をします。7という数字は明らかに恣意的ですが、この7人がどうやって選ばれたのか疑問でもあります。

主要な登場人物のなかで、神学者と悪魔憑きの二人はここに入っていません。疫病に感染して死んで行く時も、神学者の元に死神は訪れません。悪魔憑きのそばには死神がいますが、そこで死神が彼女の腕を折るという話が出て来ます。どうしてそんなことをしたのか映画の中では説明されていません。しかしもしかすると、腕を折ったのは悪魔憑きが死神の服の裾をつかめないようにではないでしょうか。理由はわかりませんが、彼女は7人の仲間には入れないのです。

それから騎士の妻も入っていません。死神が迎えに来た時そこにいたのにです。彼女がいないのは不可解なので、仮説を二つ考えてみました。ひとつめは、「死の舞踏」は大道芸人の見た幻影であり、彼は騎士の妻に会っていないからという理由です。これでも一応説明はつきます。そして二つ目の仮説は、考えすぎかもしれませんが、妻と再会した時、彼女は既に死んでいたというものです。誰もいない城に彼女が一人きり残っているのは明らかに不自然です。恐らく城の人間は逃げたのではなく、全員疫病で既に死んでいたのではないでしょうか。騎士ははじめ妻に触れることをためらいますが、それは彼女が死んでいること、ここで自分も死ぬことを感じ取ったからかもしれません。

騎士は神学者にたぶらかされて十字軍に参加し、悪魔憑きには悪魔に会いたいと話しかけます。死神に何故隠し事をするのかと詰め寄ると、死神はこたえます。「秘密などない、私も知らないのだ」死ぬ前に人生で何か意義のあることを成したいと願っていますが、何も見出すことはできません。騎士のすぐそばには、本当に天使や悪魔が見える男がいるのですが、それには気付いていません。大道芸人の家族はこの物語の「聖家族」と言えます。(子どもの名前をわざわざ何度も呼んでいます)彼らも死人の腕輪を知らずに身につけたり、リュートを弾いていたら後ろに死神の面があったりと、死の間近に身を置いていたことは確かです。騎士たちのおかげでこの家族は救われたのかもしれません。そうだとすれば、騎士は知らないうちに人生の意義を成し遂げていた事になるでしょう。

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