hanekakusiのブログ

『猫とかわうそ』http://hanekakusi.web.fc2.com製作日記です。読書の感想も書いています。

『群盗』

私は『バートラム』を訳してから、この作品を読みました。しかし順序が逆だったようで、『バートラム』は『群盗』の影響を受けているんですね。不勉強でした。

弟の奸計により、父の元へ帰還しそこねた放蕩息子が、自由を求めて盗賊になります。若いエネルギーのようなものを感じる作品です。ひとくくりにしたら怒られるかもしれませんが、社会の矛盾を感じ、自由を求めて盗んだバイクで走り出すのとそう遠くはないかもしれません。でも、バイクを盗むのも町を爆破するのも犯罪だし、何かの訴えにはなったとしてもそれで社会が良くなるわけではないので、大人になったら別の手段を選ばなくてはならないでしょう。

シラーの作品は実は初めて読みました。シラーの言う「自由」とはどういうものなのか、私はこの作品だけでは十分に読み取り切らなかったので、また別の著作も読んでみようと思っています。シラーはここからどんなふうに変化していったのか、気になるところです。