hanekakusiのブログ

『猫とかわうそ』http://hanekakusi.web.fc2.com製作日記です。読書の感想も書いています。

『ギリシア哲学者列伝』

名前はいかにも難しそうな本ですが、元々あるプラトン好きマダムのために書かれたらしく、読むのに教養はあまり要りません。タレスに始まりエピクロスまでの多数のギリシア哲学者が取り上げられていて、ほとんどが聞いたこともない人でしたが 、学説よりも、どんな人物だったかという記述がメインだったので恐れることはありませんでした。本当、色んな人がいますね。当時の三段論法なんて論理が穴だらけだし、言いたい放題ですね。読み物としても面白いですよ。

私は犬のディオゲネスエピクロスが個人的に好きです。ディオゲネスとその弟子たちは何かとルパン豆というものをポリポリ食べてるんですけど、美味しいんでしょうかね。樽に住んでたと言えば『セサミストリート』にどどめ色したゴミ箱に入ったのがいましたけど、あんな風におっさんが樽から顔と手だけ出して「コスモポリタン」とか言ってたのかと思って嬉しくなったのですが、ウィキペディアの画像を見たら結構樽が大きくてちょっとがっかりでした。これじゃあ普通に住めちゃうよ。まあそれでも、ディオゲネスはやっぱり素敵です。記述が充実してましたよ。

名前を知らなかった哲学者の中では、アリスティッポスさんが良かったですね。快楽至上主義なんですけど、彼はとくに精神的快楽より肉体的快楽に重きを置いた(!)人で、贅沢な暮らしをして娼婦とも同棲してました。それで子どもが出来ても体からわいたシラミみたいなものだと言って世話もしなかったそうです。哲学者か何だか知りませんが、まさにゲスの鑑じゃないですか。いや、そうは言ってもこの人は色々功績もある人ではありますので。