『アンフィトリオン』のアンブロシアについて補足
翻訳の方がなかなか進められていませんが、言い訳をすると、今は自分に足りない基礎的な教養を身につけようと思い勉強に勤しんでいます。
『イリアス』を今読んでいて、第14歌のヘラがゼウスを誘惑して眠らせる場面に至ったのですが、ここでヘラは美しさに磨きをかけるべく、アンブロシアで肌を清めます。アンブロシアは普通は食べ物なんですけどね。恐らく他にはアンブロシアで体を洗うという表現はあまりないのではないかと思います。
ここで『アンフィトリオン』の終盤で正体を明かしたマーキュリーが、汚れた顔をアンブロシアで洗い清めると言っていたのを思い出しました。当初私は脚韻の関係でネクタルと言うべきところがアンブロシアになっているのだと判断したのですが、そうではなくて、モリエールは『イリアス』を踏まえているのです。
不勉強でした。やっぱり有名な古典は読んでおかないといけませんね。近いうちにホームページの方も訂正しておきます。