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hanekakusiのブログ

『猫とかわうそ』http://hanekakusi.web.fc2.com製作日記です。読書の感想も書いています。

バシュラール『火の精神分析』

バシュラールと言えば、白いフサフサのお髭が格好いいので読みました。高校時代、私の友人は「ファラデーさんステキ」とか言って青春の日を空費していましたが、私は断然ケクレ派でしたよ。

客観的視点ではなく、主観的視点から火というものを分析しようという本です。私はバシュラールは初めて読んだのですが、端的に言うと1冊目には向いていない本でした。今度、もっと入りやすい作品を読もうと思います。理解が十分出来たとは言えません。バシュラールは膨大な文献を研究し尽くしてこの本を書いているはずなのですが、論理の途中経過がまったくないので、あらゆる結論が突飛に思えてしまいました。私だけでなく、多くの読者は煙に巻かれてしまうのではないかと思います。でも、面白い話もありました。「火はエディプスコンプレックスを内包している、何故なら生まれてすぐに自分を産んだ木片を燃やそうとするから」これは火の神を産んで死んだイザナミとも繋がりそうです。それから、アルコールを飲み過ぎると体が発火して焼け死ぬと信じられていたというのもありました。この迷信はよほど人々に浸透していたらしく、何と自然主義文学のゾラも題材にしているそうです。

しかし、私がしっくり来なかったのはノヴァーリス・コンプレックスの話で「青い花は本当は赤いのだ」と結論づけている事です。そこでちょっと、私の言い分をバシュラール氏に聞いてもらおうと思います。意味不明ならすみません。青い花は赤い、なるほど、純粋なる矛盾に違いない。水の中でも息ができるのだから、それはそうだろう。確かに空は赤い、海は赤いと言っても構わない。そのとおり。しかし、それが一体何だと言うのだろう。