『ギリシア・ローマ抒情詩選』
岩波文庫で呉 茂一氏の訳ですけど、とても訳文がきれいでいいですよ。
エジプトの詩も少しだけ載っていて、冒頭にあるのがイクナアトンの「アトンへの賛歌」です。本人が書いたかわかんないですが、この詩はすごいですね。ただ者じゃないですね。その後は主にギリシアの詩が収録されています。サッフォーとか『海潮音』で読んで好きだったので載っていて嬉しかったです。
私は個人的に恋愛詩が好きなので、ローマのカトゥルスが中では一番でした。オウィディウスがなかったのはちょっと残念ですが。訳に気合いが一番感じられたのはホラティウスです。格調高いですね~。ホラティウスってあちこちで引用されてていいなーとは思っているのですが、なかなか邦語訳がないんですよ。訳しづらいらしいです。
あと、ちょっと気に入ったのは読人知らずのこの詩です。
ちょっぴり啖(くら)ひ、ちょっぴり飲み、さて大いに大病した挙げ句、やっとこさと、だがとうとう私も死んじまった、みなも一緒にくたばるがいい。