アベルとカインの話
雨がこんなに降り続くのは初めてです。うちも本来は洪水になってもおかしくないんでしょうけど、筑後川を治水管理してくれている人たちのお蔭で無事過ごせています。有難いことです。まだ復興とか支援とかいう話が具体的に出て来ませんね。道路も寸断されてそれどころじゃないんでしょうね。
さて、以前シュメール神話についてここで書いた時、イナンナをめぐっての牧神ドゥムジと農耕神エンキムドゥの争いが、アベルとカインの話に似ていると書きました。それについては訂正しなくていいと思うのですが、私が間違えたのは、農耕をしていた方がカインで、牧者がアベルでしたね。イナンナも最終的にはドゥムジを選びますが、聖書でも神は牧者を選ぶんですね。キリストも羊飼いですし。
このカインとアベルの話の兄弟殺しのテーマは、人間精神の深いところに根ざした話として捉えられて来ました。そしてここにはまた、農耕民と遊牧民の争いのテーマの元型もあるかもしれません。
近年では、例えばルワンダの大虐殺がありました。これはそもそも、かつて宗主国だったベルギーが、遊牧を主とするツチ族を農耕を主とするフツ族より優れていると理不尽にも決めつけて優遇したのが原因でした。日本でも、ちょっと違うと言われるかもしれませんが、有明海の干拓事業で農家と漁業者が争っていますね。こうして利害が対立する者同士が「殺し合い」にならないために、ドゥムジとエンキムドゥのように対話ができるといいですね。
また雷が鳴ってます。天気管は結晶が消えてはいませんが、昨日から増えてもいないです。これ以上ひどくはならないと願いましょう。