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hanekakusiのブログ

『猫とかわうそ』http://hanekakusi.web.fc2.com製作日記です。読書の感想も書いています。

『夜のガスパール』

読書

この本は本当にすごい。まさに魔法の本、衝撃でした。何で絶版なんでしょうね。しかしこの本は発売されて以来、はかばかしく売れたことは一度もないそうです。初版は何と21冊しか売れなかったそうですが、うち一冊をボードレールが手にしたのは幸運でした。『パリの憂愁』の序文にかの「有名な」『夜のガスパール』とあるのがいいですね。

著者のベルトランは生前は全く名声を得る事なく、34歳で極貧の内に世を去りました。しかしどんなに認められなくても、散文で詩を書くという当時としては無謀な試みをやめることはありませんでした。彼はきっと、この作品を美しくないと自分に嘘はつけなかったのでしょう。『夜のガスパール』の舞台は著者の暮らしたブルゴーニュ地方のディジョンという街です。ディジョン・マスタードくらいでしか私も知らかったのでググってみたのですが、きれいな街ですね。いつか行こうと思います。中世の町並みを保存していてとても雰囲気があります。恐らくベルトランの生きた頃から変わっていない場所も多いのではないかと思います。

この本のことは知らなくてもラヴェルの『夜のガスパール』の方はご存知の方も多いことでしょう。作品のイメージにぴったりな曲で、三日月の下で跳ねるスカルボが目に浮かぶようです。詩も音楽も堪能できる、本当に至福のひとときでした。