hanekakusiのブログ

『猫とかわうそ』http://hanekakusi.web.fc2.com製作日記です。読書の感想も書いています。

2016-06-01から1ヶ月間の記事一覧

『The Tale of Peter Rabbit』

ビアトリクス・ポターの童話集を読みました。 初めて読んで、本当に挿絵が可愛いですし、文章も軽快で楽しいお話ばかりでした。でも私は、この物語には結構シビアな弱肉強食の世界観があるように感じました。先ず、ピーター・ラビットの父親の末期はパイにさ…

『古代ギリシア・ローマの料理とレシピ』

古代ギリシア・ローマの料理を現代の食卓に再現してみようという本です。『イリアス』に出てきた料理やガレノスのパンケーキなど、興味を引かれるものがたくさん載っています。あくまで現代で手に入る材料にしてあるので『テルマエロマエ』に出てきたカタツ…

「生まれてすみません」

しばらくSDSが50台後半なのに、毎日雨です。このままだと病院送りなので何か元気になる方法はないかと色々調べていたら、六方拝をしろとかいうお節介な話がありまして、親、家族、恩師、友達、空と大地に感謝の祈りを捧げると心穏かになるのだそうです。未熟…

前回記事の補足

前回私はバシュラールの「青い花は赤いのだ」という意見にいちゃもんをつけたのですが、重要な事を考え過ごしていました。それはバシュラールの絶筆が、火の鳥(フェニックス)に関するものだという事です。手塚治虫も『火の鳥』が遺作ですし、ブコウスキーも…

バシュラール『火の精神分析』

バシュラールと言えば、白いフサフサのお髭が格好いいので読みました。高校時代、私の友人は「ファラデーさんステキ」とか言って青春の日を空費していましたが、私は断然ケクレ派でしたよ。 客観的視点ではなく、主観的視点から火というものを分析しようとい…

『ジョゼットおなべのなかにパパをさがす』

不条理劇で有名なイヨネスコの絵本です。 ジョゼットのママは、ゆっくりするために実家に帰っています。パパはママが居ないので羽根を伸ばしすぎて、暴飲暴食で具合が悪くなっています。今はジョゼットの相手はしていられません。パパはバスルームにこもって…

まきまきの謎

16世紀ドイツの民衆本『ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら』を読みました。いたずら好きのティルが誕生してから死んで埋葬されるまでの、いたずらエピソードが94話あります。司祭様の寝ていたベッドにこっそりウンコをしておくとか、カラシの中…

『ゲーデル・不完全性定理』

ゲーデルの不完全性定理と言えば数学者にも難解なことで知られていますが、これは『大学への数学』の吉永良正氏が書いたブルーバックスで「中学生にもわかる」という売りです。(まあしかし、私の通っていたようなリアル稲中は恐らく想定外でしょう)難しい話…

古典を読む理由

今日は少しどうでもいいことを書こうと思います。私は古典が好きで、しかも大体単純に古ければ古いほど好きです。『竹取物語』とか『ギルガメシュ叙事詩』がやっぱりいいなと思います。ホームページの翻訳は著作権がある事もありますが、そうでなくてもほと…

アリストファネス『女の平和』

私はこの作品は大好きです。ただし内容の8割は下ネタです。面白いですが現代では上演不可能かと思われます。下品すぎるのでここに詳細は書けません。しかしアリストファネスは一貫した平和主義者であり、低俗なお笑いの背景にはペロポネソス戦争反戦というテ…