hanekakusiのブログ

『猫とかわうそ』http://hanekakusi.web.fc2.com製作日記です。読書の感想も書いています。

2015-08-01から1ヶ月間の記事一覧

黄金の壺

『くるみ割り人形』で有名なホフマンの作品です。彼の作品は、雰囲気がどこか小さい子がよく出まかせにする作り話みたいです。それがいつしか、現実に取って代わってしまいます。 『黄金の壺』は、ある純粋な青年と、緑色の蛇との不思議な恋物語です。ここに…

マチューリン『バートラム』

現在、マチューリンの戯曲『バートラム』を翻訳中です。この作品は、スコットとバイロンの後援のもとに上演され、ある程度の成功をおさめました。主演がエドムンド・キーンという有名な俳優だったらしいです。ただし、コールリッジが「非道徳的」と公然と酷…

『放浪者メルモス』第1章:肖像画

第一章を翻訳し終わりました。やっと肖像画が出て来ました。話がここから進んで行きます。この肖像画は、『ドリアン・グレイ』にも少なからぬ影響を与えたことでしょう。 ところで『ドリアン・グレイ』ですが、一箇所謎なところなあります。ドリアンは悪事を…

ふたりのロッテ

ケストナーの児童文学の名作です。本当にいい作品で、それに文章のリズムもすごくきれいです。本当に心暖まる作品だと思うのですが、しかし私は読んでてかなりつらくなりました。 多分、こんな素敵な作品を読んで心がすさむ人は少数派です。ですが今回は、ケ…

『放浪者メルモス』第1章:アイルランド弁

メルモス伯父さんの使用人の言葉ですが、ところどころアイルランド方言/訛りが含まれているようです。訳も訛った方がいいかとも思ったのですが、イングランド人にとってのゲール語って、関西弁なのか、東北弁なのか、鹿児島弁なのか、それとも外国語なのか、…

トリストラム・シャンディ

本題からちょっと外れますが、武雄市の図書館で貸出件数の少ない蔵書が処分されてしまったそうで、中には貴重な古書も含まれていたとか。残念で仕方ありません。 私は『メルモス』を最初図書館で借りて読みましたが、それまで下巻の最後まで読まれた形跡は全…

第七の封印

スウェーデンの映画監督ベルイマンの作品です。騎士が死神とチェスをする話です。有名な映画だそうで、ラストシーンは確かに見覚えがありました。すごく恐い映画なんですが、死神がどうしてか可愛い。ほんと恐いんですけどね。 (以下は映画の内容を含みます)…

海賊ジェニーの歌

先日、ブレヒトの『三文オペラ』を読みました。とても面白かったので、その中から一つ歌を訳しました。でも有名なのはジャズにもなっているMack the Knifeです。 善人でいたいとは誰でも思うけど、この世で生き抜くには強かで狡くなくてはならない。人間とい…

マチューリン『説教集』

『メルモス』が途中なんですが、マチューリンの『説教集』から一編訳してます。彼の戯曲『バートラム』も翻訳しようと思います。というのは、私自身彼のことをもっと知りたいと思うからです。無神論者の私には牧師の説教なんてめんどくさいですけどね。 シャ…