hanekakusiのブログ

『猫とかわうそ』http://hanekakusi.web.fc2.com製作日記です。読書の感想も書いています。

2015-10-01から1ヶ月間の記事一覧

『群盗』

私は『バートラム』を訳してから、この作品を読みました。しかし順序が逆だったようで、『バートラム』は『群盗』の影響を受けているんですね。不勉強でした。 弟の奸計により、父の元へ帰還しそこねた放蕩息子が、自由を求めて盗賊になります。若いエネルギ…

『フーコーの振り子』

ウンベルト・エーコは、存命の作家の中ではいちばん好きです。以前『完全言語の探求』を読んでとても感動しました。今作は娯楽小説で、ヤコブ・ベーメに似た名前の同僚が、テンプル騎士団を名乗る者たちに拉致されるところから話が始まります。ちなみに主人…

『プラグマティズム』

私がプラグマティズムに興味を持つようになったのは、エマーソンの影響です。エマーソンはW.ジェームズの名付け親です。ジェームズの学説はエマーソンの何歩か先を見ていると思いますが、ジェームズの著作にはことある事にエマーソンの名が出て来るので、深…

スコット『アイヴァンホー』

スコットはマチューリンの才能を見出した人物なので、読んでおきたいと思いました。『アイヴァンホー』は、第三次十字軍の頃のイングランドを舞台にした騎士物語です。『バートラム』と同じ頃、1819年に発表されました。ドラクロワの『レベッカの略奪』はこ…

『バートラム』についての分析

翻訳に予定より時間が掛かってしまっていますが、何かとやることがあって、今からまた秋刀魚を捌いたりとかあるのですよ。それと、いろいろ考えていたんです。 もう第3章辺りまで来たら、読んでいてこの話の持つ違和感に気付くのではないかと思います。『バ…