hanekakusiのブログ

『猫とかわうそ』http://hanekakusi.web.fc2.com製作日記です。読書の感想も書いています。

2015-01-01から1年間の記事一覧

海賊ジェニーの歌

先日、ブレヒトの『三文オペラ』を読みました。とても面白かったので、その中から一つ歌を訳しました。でも有名なのはジャズにもなっているMack the Knifeです。 善人でいたいとは誰でも思うけど、この世で生き抜くには強かで狡くなくてはならない。人間とい…

マチューリン『説教集』

『メルモス』が途中なんですが、マチューリンの『説教集』から一編訳してます。彼の戯曲『バートラム』も翻訳しようと思います。というのは、私自身彼のことをもっと知りたいと思うからです。無神論者の私には牧師の説教なんてめんどくさいですけどね。 シャ…

『放浪者メルモス』第1章:密造酒

今回訳したところに、密造ウイスキーの話が出て来ました。アイリッシュウイスキーの歴史が垣間見えるかもしれません。ここにあるように、かつては庶民に出回る多くが密造酒だったそうです。酒税も逃れられますしね。 今有名なLAPHROAIGなども元は密造酒でし…

『ラプンツェル』 王子は魔女を殺さない

現在、ドイツ語を勉強中です。『ラプンツェル』を読みました。 この話、魔女は一体何をやりたかったんでしょうね。それから、王子は何をやってるんだと思いました。王子がさっさと魔女を退治すればすむ話ではないかと。 私は専門家ではないですが、王子(英雄…

『放浪者メルモス』第1章:まじない女

今日訳したまじない女のところですが、長々と作者の批判が述べられています。当時はまだ、アイルランド土着の(キリスト教由来ではない)信仰が多く残されていたことが覗えます。確かに、牧師としては捨て置けないですね。 まじない女の医術がインチキだと言う…

道楽と職業

夏目漱石の講演録です。 曰く、職業とは他人本位のものです。人様の為と言っても「人の機嫌を取ってお金をもらう」ものです。他人本位になりすぎて自分を失うと、卑しい行為も厭わなくなります。 一方芸術家や哲学者などは自己本位でなくては成り立たないも…

『放浪者メルモス』の作者について(2)マイノリティーとして

『メルモス』の作者マチューリンは、アイルランドでプロテスタントの牧師をしていた人物です。祖先はユグノーで、迫害を逃れてこの地へ渡って来たのでした。アイルランドは現在も独立問題などで揺れていますが、そういう地でプロテスタントの牧師をするとい…

『放浪者メルモス』の作者について(1)聖職者として

私は本を読んで、作家の人となりを想像するのが好きです。どうしてこんな作品を書くハメになったのかと、その人の生い立ちからいつも考えます。その空想が正しいかどうかを知る術はないですが、恐らくそう外れてもいないのではないかと思います。 あと、本を…

ブログ作りました。

なかなかこういうものを定期的に書き続けるのは苦手なのですが、あった方が便利かと思いました。翻訳をしてて迷ったところとか、最近読んだ本の感想とかを書こうと思います。