hanekakusiのブログ

『猫とかわうそ』http://hanekakusi.web.fc2.com製作日記です。読書の感想も書いています。

『アンフィトリオン』の元ネタについて

現在訳しているモリエールの『アンフィトリオン』ですが、ご存知の方も多いと思いますが元ネタのギリシア神話のことを少し書いておきます。モリエールに限らず、多くの作家たちに書かれた題材です。

アンフィトリオンは妻のアルクメネの兄弟を殺したタポス人に仇を討つため、テーレボーエスへ戦いに行きました。この間の不在を利用し、ゼウスがアンフィトリオンの姿を取ってアルクメネの元を訪れました。この時、夜を三日に引き延ばしたとも言われています。こうしてアルクメネは懐妊し、生まれたのがヘラクレスです。この後アンフィトリオンヘラクレスの面倒をちゃんと見たようで、武術を教えたりしたそうです。

アポロンのように、ゼウスの子は生まれつき神のことも多いですが、ヘラクレスは人間として生まれます。そして12の難行を成し遂げ、最終的に天界へ迎えられることになります。

モリエールの『アンフィトリオン』につきましては、実際にあったルイ14世とモンテスパン侯爵夫人の不倫問題を風刺しているという説もあります。この戯曲を書いたモリエールの意図については諸説あるようなので、読む方の判断にお任せしようと思います。モリエールは笑いのセンスが現代とかなり近いので、面白く読んでいただけると思います。