hanekakusiのブログ

『猫とかわうそ』http://hanekakusi.web.fc2.com製作日記です。読書の感想も書いています。

『古代ギリシア・ローマの料理とレシピ』

古代ギリシア・ローマの料理を現代の食卓に再現してみようという本です。『イリアス』に出てきた料理やガレノスのパンケーキなど、興味を引かれるものがたくさん載っています。あくまで現代で手に入る材料にしてあるので『テルマエロマエ』に出てきたカタツムリ料理のようなものは載っていません。あと、写真もなく文章ばかりなので上級者向けです。田舎のスーパーでは手に入らない材料も多く、作るには自分なりのアレンジが出来る腕が必要です。それから、再現しているのがイギリス人で(ディスってすみません。イングリッシュ・ブレックファーストは美味しいです)多分歴史の専門家で料理の専門家ではないので、結構大雑把です。そのまま作ってもそこまで美味しくならないと思います。工夫が必要です。

載っているレシピは意外と現代の洋食と変わりません。違うところはガルムという魚醤を使うこと(現代ではほとんど製造されていないので私はナンプラーで代用しました)、砂糖がないのでハチミツで甘みをつけること、コリアンダーなど大量のハーブを使うことです。あと、料理の手順が少し違うところがあって、現代では旨味を出すため煮込む前に香味野菜は炒めて肉は焼き目をつけるのが普通ですが、古代のレシピではそれはしていなかったです。どこまで再現にこだわるかですが、多分先に炒めた方が美味しいんじゃないかと私は思います。

私は魚を焼いた料理と豚肉とリンゴを煮た料理を作りましたが、意外と魚醤がいい味を出していました。魚醤はアジア料理でしか使った事がありませんでしたが、ちゃんと洋風の味付けにもマッチしてくれました。醤油より合いますよ。今後の料理の隠し味に使おうと思います。