年末年始
年内のホームページ更新は今日でおしまいにして、体きついので二週間ほど休憩します。ご覧いただいた方はありがとうございます。
そもそもこういうページを作ったのは、自分の語学学習のためと、あとはやはり書物が好きだからです。入手しづらいマイナー作品の翻訳が、ネット上に無料であると便利じゃないかとは思います。少なくとも、日本中で一人か二人の人間にとっては便利です。
しかし、本は好きだからこんな事をやってはいますが、多く読むにつれて文学の闇みたいなものも見えてきました。こう言っても恐らく伝わらないでしょうが、文学というのは一種の「暴力」かもしれません。だって「ギリシア文学」はあっても「トロイ文学」はないのです。ブコウスキーが「俺はシェイクスピアもトルストイも嫌いだ」と言っていたのがわかる気がします。以前は文学は何か特別なもののように私も思っていましたが。
ガストン・バシュラールが、文学作品もチラシの広告文も、テキストはすべて同列の物として扱ったという話を聞いた時には目からウロコでした。そもそも同じ文字を並べた物が、どうして「純文学」とか名付けられたら貴重になるのでしょう。その基準が何なのか、未だに私にはわかりません。
ある著名な和本の研究者のお話では、普通人が捨ててしまうような雑誌やチラシというのは後世に残りにくく、当時の暮らし向きがわかる資料として重要性が高いそうです。我々も文芸作品なんかより、その辺のエロ本を百年置いておいた方がよっぽど値打ちが出るということです。
今年最後だというのに、こんな話題で失礼しました。どうぞ良いお年を。