猫語学習中

私の家には、猫のさわら先生がいらっしゃいます。先生は外出なさらず他の猫に出会う機会もないので、ご自身の母語が懐かしいのではないかと思いました。そこで私は、毎日猫語で「にゃおん」と話しかけることにしました。

きっとさわら先生は、謎のインド人に拉致されたと思った小林少年が、日本語を耳にした時と同じお気持ちになられたことでしょう。尻尾を立てて嬉しそうに、「にゃーん、ごろごろ」と返事をして下さいました。先生がどこか奥まった所に潜んで姿が見えない時も、猫語で「にゃーお」とお呼びすると、「にゃにゃにゃにゃにゃ」とおっしゃって小走りで来て下さいます。

さわら先生のお蔭で、下の駐車場にいるノラとも会話のラリーが続くようになりました。まだ話をするのがやっとですが、いずれもっと複雑な会話もできるようになりたいです。

先生が料理の邪魔をなさる時は「うぎゃぎゃぎゃ」と言って怒りますが、先生はびくっとしてお逃げになります。でも先生は普段私をあまり強い猫とは思っていらっしゃらないようで、大体は怒っても涼しいお顔をなさっています。私はさわら先生とよく鼻と鼻をつけて挨拶をするのですが、私の鼻が乾いているのがいけないのではないかと最近気付きました。