hanekakusiのブログ

『猫とかわうそ』http://hanekakusi.web.fc2.com製作日記です。読書の感想も書いています。

依存症フォーラム

確かアメリカ人の書いたものだったと思いますが、医者が活躍できるかどうかは家族に恵まれるかどうかによる、というのがありました。当時の私は何事も個人の努力によるし、周囲の環境は言い訳にできない信じていたのですが、今はわかる気がします。誰もから賞賛されるような功績を挙げる人はいますが、その人が活躍するには周囲の人の数え切れないサポートが必要なのです。例えばオリンピックでも一人の努力だけではメダルは取れません。私は以前、ある競技で全日本10位の成績であったものの、統合失調を発症し選手生命を失った人に出会ったことがあります。彼女の場合はご両親の仕事が忙しく、支えてもらうことが出来なかったそうです。周りの支えなしで厳しい努力を続けることは危険でもあり、せっかくの素質が失われることにもつながります。

この前依存症フォーラムに行って来たのですが、なぜこんな話かというと、演者の一人がバドミントンの賭博問題について「あれは明らかにギャンブル依存症という病気なのに、治療という概念がまったくない」と発言されていた事があります。意志の力で改善しないから病気なのですが、依存症についての理解が一般化していない事もあり、つい精神論で片付けようとしてしまいます。

メダルを期待されるほど活躍していた選手が、してはいけないことをしたにしても、今後の治療や復帰をサポートするよりも処罰や切り捨ての方に行ってしまったことは残念です。そもそも違法なギャンブルに手を出したのは、周囲のサポートが十分だったのだろうかと疑問を感じずにはいられません。